桐タンスの特徴
桐タンスは古くより着物をはじめとした大切な家財道具を守る役割を果たしてきました。また木目が綺麗なため高級品の箱としても活躍してきました。ではなぜ桐タンスがそのように利用されてきたのでしょうか。それは桐のもつ特徴と桐タンスの製造方法によるところが大きいと言われています。
桐タンスは火に強い
桐タンスは火災の時に他の家具と比べると燃え始める温度が高く、表面が炭化することで燃えにくいといわれています。また構造上、材質上、割れなどが少ないことも燃えにくい理由のひとつといえます。
実際に家具店の火災の際に桐タンスのみ焼け残ったという例もあるほどです。燃えて黒くなった桐タンスは洗濯することでまた綺麗な状態に戻ります。
桐タンスは湿気に強い
桐タンスは湿気から中のものを守ってくれます。桐材の構造上、膨張・収縮し内部の湿度を一定に保ちます。またしっかりと作られた桐タンスであれば水害の際には水が内部に浸水するのを防いでくれます。
桐は虫を寄せ付けない
桐タンスは虫が嫌いな成分であるタンニン・セサミン・パウロニン・キシリトールを含んでおり内部の衣類をダニ・シロアリ・ノミや虫食いなど守ってくれます。その成分は人には無害で、アトピーやシックハウス症候群などの方も安心してお使いいただけます。
桐は洗い、再生できる
長くお使いいただいた桐タンスは黒く汚れてきてしまいます。原因としはタンニンや日焼け・水汚れなど様々です。桐タンスは古くから洗い(洗濯・削り直し・リフォーム)という技術があります。汚れを洗い落とし黒くなった表面の皮をカンナがけすることで、古くなったタンスを新しくご購入された当時の様にキレイに再生することで代々長くお使いいただく事ができます。(ご要望に合わせて色やデザインも変更することが可能です)
桐タンスの種類
桐タンスは使用材料や形状により様々な種類があります。桐タンスをご検討されていると総桐タンス、四方桐タンス、三方桐タンス、前桐タンスといった説明がなされている事はありませんか?こちらは(上から見ると)四角形のタンスの内、何辺に桐が使用されているかの材料で分類された種類となります。桐タンスの機能が最も高いのは全て桐材を使用している総桐タンスです。もちろんお値段も一番高いです。。そして最もお手軽なものが全面のみに桐材が使用されている前桐タンスとなります。この後は形状による桐タンスの種類をご説明いたします。
昇りタンス
引出しが多く付いている桐タンスです。主に着物を多く収納する方に向いている桐タンスです。幅105~110cm・奥行45cm・高さ170cm台が一般的なサイズです。
開きタンス
開き扉が付いている桐タンスです。扉の中は様々でお盆が付いていて着物が多く収納できるもの・パイプが取り付けられた洋服が収納できるものがあります。こちらも昇りタンスと同じく幅105~110cm・奥行45cm・高さ170cm台が一般的なサイズです。
小袖タンス・桐チェスト
主に引出しや和盆で構成された比較的小さな桐タンスが多いです。着物だけでなく衣類などを収納される方も多くいらっしゃいます。サイズは幅と奥行は昇りや開きと同じですが高さが130㎝台までのものを指す事が一般的です。
桐衣装箱
浅く長細い箱状の桐タンスです。着物を1・2着入れる事が出来、多くの収納を必要としない方や持ち運びなどには最適です。幅95cm・奥行44cmが一般的なサイズです。
オーダーならデザインは自由
ここまでご紹介してきた桐タンスは昔からよく使われている主に着物を収納することを目的とした伝統的な桐タンスです。オーダーメイドでご自身の収納したいものに合わせてご相談してみてください。
またオーダーであればデザインもご自身のお好みに合わせて自由に設計が可能です。かわいいらしいデザインや
洋室にマッチするおしゃれなデザインも
また取手で遊んでみても雰囲気がガラッと変わります。
桐タンスは着物だけではなく、大切なものを守るもの
これまでは桐タンスといえば着物を収納するものという認識が一般的でした。それはかつては着物が大変高価で何度も仕立て直して使われる程大切なものだったからです。しかし現在は昔に比べ価値観も様々で大切にされているものも人それぞれです。時計やネックレス、ダイヤモンドなどの貴金属かもしれません。カメラなどの精密機器、子供の書いてくれた絵、フィギュア・切手・骨董品など趣味のコレクションかもしれません。
時代が変わり大切なものがかわっても桐タンスの難燃性や防湿性などは変わりません。みなさんの大切なものを桐タンスは守る箱として活躍していきます。